政治経済 メノツケドコロ(積極財政)

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国民の安心のため、核武装が必要だ!

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岸田文雄首相は12月11日、広島で開かれた 核兵器の無い世界に向けた賢人会議に出席しました。

閉会の挨拶で首相は、

 

核兵器の無い世界に向けては、現実的かつ実践的な取り組みを進め、国際社会の機運を高めていくことが重要だ」

 

と述べ、来年5月のG7サミットなどを通じて働きかけを強める考えを示したとのことです。

 

この賢人会議というもの、外務省のホームページによりますと

岸田首相が立ち上げを表明したもので、核保有国、非保有国双方の参加者が話し合う場であるとのことです。

 

さて、岸田氏のいう現実的かつ実践的な取り組みとは何なのでしょうか。

その内容はわかりませんが、そもそもの問題として

 

世界から核兵器がなくなること自体が非現実的であること。

そして、日本の独立と防衛には核武装が必要であること。

 

今回はこの2点を述べたいと思います。

 

今回は2冊の書籍

伊藤貫 氏著「歴史に残る外交三賢人 ビスマルクタレーラン、ドゴール」

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そしてエマニュエル・トッド氏著「第三次世界大戦はもう始まっている。」

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を参考にお話ししたいと思います。

 

 

さて、今の日本は独立、自立した国でしょうか。

 

決してそうではありません。

防衛戦略の多くを日米同盟に依存している。その影響で他国、つまり米国の軍隊がかなりの規模で日本に駐留している。

米兵の犯罪には日本での法の裁きを下すのに制限があり、また横田空域など日本の領空の一部を自由に使うこともできない。

 

また、日米地位協定、そして現在では廃止されているようですが

年次改革要望書というアメリカからの 要望 で日本の制度が実際に変えられてきたという事実。

 

日本の主権はアメリカによって制限されている。そう言えるはずです。

 

更に、防衛を米国に依存していることから独自の外交をする権利が事実上制限されている。

例えば今回のロシアとウクライナの戦争でも、日本は当事者では全くなく

むしろロシアとの領土問題を解決するにあたって、無意味に西側に肩入れするような動きは不利でしかないはず。

それにも関わらず政治家もメディアもロシアを悪とする一辺倒であり、岸田氏も外交官の追放までしてしまう。

 

エマニュエルトッド氏は上述の書籍の中で

 

「核を持つことは、国家として自立することです。核を持たないことは他国の思惑やその時々の状況という、偶然に身を任せることです。」

 

と述べています。

 

要は、自国を守る防衛能力を持たない国は他国に依存せざるを得ず、行動も、その運命も状況に委ねることになるということです。

 

もしアメリカの庇護を必要としなくなれば、不平等な日米同盟の改正や独立した外交もできるはずです。

つまり日本の自主防衛が必要なのです。

 

では、どうして日本の防衛には核兵器が必要となるのでしょうか。

核兵器以外の通常戦力の強化では不可能なのでしょうか。

 

それを考えるには

 

まず一つに、核兵器の特殊性があります。

 

通常戦力においてはその量が大きい方が単純に有利であると

基本的には言うことができます。

 

しかし核兵器の場合は、もてば持つほどより有利になるというものではないのです。

原爆なら数十万人、水爆なら数百万人を一瞬で殺害できるとされております。

巨大な破壊力を持つが故に、少数の核弾頭を持つだけで抑止力として機能するのです。

 

例えば中国の人民解放軍と日本が戦うことになったとします。

現在は向こうが経済力も人口も圧倒的に上です。そんな国に対して通常兵力を競争して防衛力を強化して万が一の事態に対応できるでしょうか。

 

その点、日本が核兵器を持っているとなれば

相手も迂闊にはことを構えることができません。北京や上海、あるいはその他の都市であれ中国の人民を何万人も蒸発させてしまう危険を冒してまで

動くことは難しいでしょう。

 

核兵器の特殊性とは、軍事力の拡大競争の外に身を置くことができるということです。

 

 

そして、二つ目に日本の置かれた安全保障環境があります。

 

日本に近接する核保有国は

 

中国、ロシア、北朝鮮、そしてアメリカ。

 

核兵器を持った国に囲まれているのが日本です。

 

そして、中国とロシアに対しては領土問題、北朝鮮とは歴史問題や拉致問題などで紛争の種を抱えています。

 

相手の国はどう考えるでしょうか。

自分たちは核兵器を持っているが、日本は持っていない。いざという時、我々が核で脅せば日本は縮み上がるしかないだろう。

 

そう考えるはずです。

 

つまり、周囲の国が核兵器を持っている時に自国だけ持っていない場合、

そのこと自体が戦争を招く可能性が高いということです。

 

各国のパワーバランスが特定の国に偏った時に戦争が起こる。これが歴史の事実です。

 

ちょっと待って、米国の核の傘があるから相手も手出しはできないんじゃないの?

そう考える方もいらっしゃいます。日本の政治家も今までそう述べてきたはずです。

 

しかし核の傘というのは成立しない考え方なのです。

 

それは今回のウクライナとロシアの戦争でもはっきりしました。

アメリカもイギリスも、ウクライナに対して多大な支援を行っています。

でも、間違っても自国の兵士を前線に立たせたりはしないのです。

 

なぜか。核兵器保有しているロシアと戦争して、核攻撃を受けるリスクを取ることができないからです。

当然ですが、ウクライナの人々の命よりも自国民を優先する。

 

となれば、日本が戦争に巻き込まれた時も推して知るべしでしょう。

 

相手が中国であったとして、アメリカが本気で戦争することは難しいということです。

 

ちなみに、一時期安倍晋三氏などから、米国との核シェアリングという話が出ました。

この核シェアリング、実はそう新しい話でもないのです。

 

伊藤貫氏の書籍には、

自主核武装を進めるフランスの元大統領ドゴールに対し、アメリカのケネディ大統領が核のシェアリングを提案したエピソードが紹介されています。

 

ドゴール氏はこの提案に対し、

 

 

「この案は罠だ!フランスの独立と自主防衛を阻止しようとするアメリカの罠だ!」

 

と述べ即座に却下したのです。

 

当時はソ連という核大国がありました。

そのソ連と核を打ち合う気なんてないくせに、そしてシェアした核兵器のスイッチはもちろんアメリカが握っているのに、同盟国の自主防衛をさせないことでアメリカに依存させようとする罠であると、ドゴール氏は考えたのです。

 

自国が、自国のためだけに使う核兵器を持たなければ何の意味もない。

安易なシェアリングだけで議論を終わらず、自分で持つかどうか。

 

その議論まで、日本も進んでいけるでしょうか。

 

 

まとめます。

 

核兵器がなければなぜ日本の防衛が難しいのか。

一つには大国と言われる中国やロシアに、通常兵器の軍拡競争では太刀打ちが難しいこと。

二つ目に、周囲を核保有国に囲まれている日本は核を保有しなければ

パワーバランスが崩れ戦争に巻き込まれるリスクが高まること。

 

以上二つが理由です。

 

そして、日本が核保有を行えば

防衛の多くを米国に頼り切る必要もなくなり、独立国家日本として

自立できる可能性が高まること。

 

だからこそ、核保有は日本の防衛、独立にとって必要不可欠だと考えるのです。

 

 

さて、ここまで述べれば世界から核兵器がなくなることが非現実的だということもお分かりかと思います。

魔法のように一瞬で世界からなくなるならともかく、すでに多くの国は核兵器を持っています。

自国が核兵器で脅されるリスクを取ってまで、進んで放棄する国はほとんどあり得ない。

 

だからこそ、核兵器をなくすという妄想を求めるのではなく

如何に使わせないか。使えなくするか。そうした防衛環境を整えていくことが必要なのではないでしょうか。